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「ちょっと、ちょっと待って!あたしまだやることがあるわ!」


スリザリンのマジモンセンターの前で、ミリイの声は大きく響きました。
ロングボトムの胸に、フレジョの胸に、リドエルの胸に、あたたかく、じーんと広がるように。
よかった、ミリイはみんなのことを忘れていたわけではありません。
ちゃんと、しっかりと考えていたんですね。


「やることって、なんだい?」


ドラコは少し不機嫌な面持ちでミリイを見つめます。
たぶん、イエスと返ってくると思っていたのでしょう。
外れてしまって少し不服なようですね。


「あたし、スネイオウをつかまえなきゃ。ロングボトムを人間に戻してあげたいし、ドラコだってグラップとゴイルを元に戻してあげなくっちゃあ」
「それはそうだけれど…」


ドラコは顔を顰めてミリイを見つめました。
ミリイは真剣にドラコを見返しています。


「…勝手にすればいいさ!後になって後悔しても知らないからな!」


ドラコはフンッと鼻をならしてそこを去ってしまいました。パンジーはそのあとを追いかけていったようです。
ああ、もう噂どおり本当に短気ですねえ。
フッてしまってよかったんじゃないですか?ミリイ。


ミリイ、よかったの?その―――僕たちなんかといるより、あいつと一緒にいたほうが君のためにもなるじゃない」


おどおどとネビルはミリイに言いました。
ネビルったら、ミリイが本当にドラコのところへ行ってしまったらそれこそ悲しむのに。
不器用で可愛いやつですね。


「バカねえ、あたしはあんたとの約束を途中で放棄なんてしないわよ」


ミリイの言葉にネビルは嬉しそうに笑いました。
「それにあたし―――あんたたちと旅するの好きなんだから」
あらあら、聞きましたか?あのミリイからこんな言葉が聞けるなんて!
フレジョもリドエルも照れくさそうに笑っています。
よかったですねぇ、やっぱり今まで育んできた絆は、ちょっとやそっとのことじゃ崩れないんですね。


「たとえスネイオウをゲットしてコンプしたって、あたしたちの旅は終わんないんですからね!」
ちょっと怒ったように言ったって、ネビルもフレジョもリドエルもそれがミリイの照れ隠しだってちゃんとわかったようです。
だってミリイのほっぺたったら、赤くなってるのだから。
ミリイはここでかけがえのない仲間を手に入れたようですね。
ミリイが欲しがっていた名声やお金とは比べ物にならない宝物ですよ。


「ホラ、あんたたちとっとと行くわよ!」


満面の笑顔でミリイの後についてくるマジモンが3匹、これからのミリイの旅は果てしない可能性に満ちているようです。
ミリイが求めたマジモンマスターまでの道のりも、きっとみんなと一緒なら軽く乗り越えていけそうですね。
ふふふ、この後の物語?
それはミリイの思い描くままの素敵な冒険ですよ、きっと。




おわり