いちゃいちゃ☆パラダイス4
□夏合宿・早朝編□





「今年の女子の合宿には、男子テニス部もついてくからな。と言っても、レギュラーだけじゃが」

「は?」
一瞬、思わずバカみたく口を大きく開いて私は固まった。
今何と言ったよスミレちゃん。

「女子の合宿に男子のレギュラーがついてくる?」
「そうじゃ」
「いやいやいや、それは無理っしょ!ホラ、旅館側の都合とか、っていうか男子はもう合宿やっちゃったでしょ?」
………………え?
ちょうど9人分部屋が空いてる!?
だから強化合宿一緒!?
全国大会も間近に迫ってるから!!?

「レギュラー達がもっと練習したいってうるさくてねぇ……」
「………もしかしてスミレちゃん私が憎い?ねぇ憎いでしょう!?っていうかなんで不二の味方まがいのことすんの!?」
私泣きたいですよ?今すぐここで泣いていいって言われたら迷わず泣くよ!?
「どうして不二がそこに出てくるんじゃ」なんて私の耳に入るはずもなく、頭を巡るのは口八丁手八丁で強化合宿に持ち込んだのであろう不二周助の存在!
おおかた想像つくあたり、なんていうアイロニー。
ち く しょ う !
…………スミレちゃんのバカァ!

うあ。
さっき不二が言ってたのこの事だな。
ちくしょう、始終にっこにこにっこにこ笑いやがって……………!
「ダメです!男女一緒になんて言ったら何が起きるやもわかんないし!」
「手塚がおるから大丈夫じゃよ」
はぁ!?
手塚がいるから大丈夫!?
あれはアテにはしとらんよ元々…っか、むしろ不二がいることがヤバイんだってば!!!
「イヤです、ダメです!私は認めません!!」
「とは言ってもなぁ……レギュラー達のやる気を無下にするわけにもいかんし、かといって日にちをずらすとわしの都合がつかないし…」

………・・・ ・・。
「わかりましたもういいです」
「そうかい、そりゃよかった」
スミレちゃんは悪くないもんね。
困らせてごめんよ、スミレちゃん……ッ。
ああ……このことはきっと不二が仕組んだことなんだね。
うん、わかった。
当日休んじゃえばいーんだもんね、桜乃いるから本当は行きたいけど……。
背に腹は変えられねぇよ。

うん、そうしよう。
心の中で、誓いをたてる。

休もうったって無駄だよ…。

でもあんたのその無言の訴えが恐いです。
っていうか、心の中読んでるんですか?






―合宿当日―

「オハヨウゴザイマス…」
どんよりと、暗い顔で集合場所に現れたのは私。
反対に、これでもかってくらいキラキラした笑顔で私の腕をつかんでいるのは……………………不二。

迂闊でした。
絶対不二が迎えにくると思ったから、早起きしてさっさとどっかに逃げてようと思って朝起きたら……
もうすでに食卓に不二がいた!
しかもお母さんと仲良く談笑しながら朝ごはん食べてますよ?
今……AM5:30……うちのお母さん働いてて朝早いけど。
が忘れてるといけないからってわざわざ来てくれたんですってVv」
語尾にハートマークをつけるな、いい年こいて。
「おはようVv」
お前もつけるな。

そんなわけで私は逃げるにも逃げられずここに来ざるを得ませんでした。
「はぁ………」
「ため息ばっかついてると、幸せが逃げてくよ?」
いや、あんたのせいだし!!
「女子全員集まったよ〜手塚〜」
ひらひらと名簿を振って、手塚に渡す。
なにを隠そう、実は私が女テニの部長だったりするので。
というか部長なのにサボろうとしてたのかよ、というツッコミはしない方向でお願いします。
私の気持ちも察して……!!

「よし、全員集まったようだな。じゃあ電車に乗り込むが、くれぐれも騒がないように!」
は〜いと気のない返事が返ってくる。
私自身、気のない返事してるんだけど。
あ、手塚が不満気だ。
というかなにか言いたそう。
「とくにな……」
ジロリと睨まれて思うことは…まだこないだのアレ根に持ってんスか?
「ふふふ……」
何もしないなんて言わないよ?
だって私朝からちょっといろんなことあったから、その気分を清々しいものにするくらいのことはやるかもですよ?
っていうか、やる気マンボウ!





 や り ま し た ☆
氷を手塚の服の中落としてみたり、歯の健康よ!と言ってキシリトールガム取り出してはびっくりガムを仕掛けてみたり、トランプ投げたら手塚の頭に刺さったり(これは偶然)……

あー、スッキリした☆
騒ぐなって?
私騒いでないよ。
静かにしずかぁーに、イタズラを仕掛けたまでですよ。

そんな私の隣では、相変わらず不二が笑ってて、時々大爆笑されたりされなかったりして。
こんな日常も悪くはないと思いはじ………………………――――――ッいやっ!
違う!!
なに洗脳されてるんだじーぶーんー!!
私は不二が好きじゃない、好きじゃない!好きじゃない!!
よし!自身制御完了!!

「なにぶつぶつ言ってるの?
「イエ!!なんでも!」

始まったばかりの賭け。
戦いの火蓋は切って落とされた(大袈裟?)。
負けないんだから!!
私のテーソー(違ッ)を守るためにも!!
さあ来い不二!
それ来い不二!
本当に来ても困るけどな!!
私は負けない、負けないぞ!!

燃えたぎる私を悪魔の微笑みで見ていた不二を、私は知らない。





■夏の合宿・早朝編■おわり。
次編へつづくっ!!
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またもやアレです。続きです。
ネタが尽きてきやがったなあらなみ、とか思ってる人いるでしょうね。
まさにそのとおり!!(爆)
というか、時間がなくって次回にまわしました。
恨むなら、あらなみのバ家族を恨んでくだされ。
自分の宿題くらい自分でやれっ!弟!!
しかも(私を)金で吊るな!母さん!!(泣)
ただ今超金欠です。吊られまくりです。
時間がありません。
でもリク消化はちゃくちゃくとやっているのでご安心をm(_ _)m
というか、あとがきのネタ考えるのも億劫です。
切羽詰ってます。
なんだか日記調です。
なんかもうすべてにおいて、ごめんなさい!!

あ、文中に出てくるびっくりガムについて…
あれは駄菓子屋とか祭りのテキ屋で売ってたりする、一枚ガムを取ると、パネの原理で指をバチンと挟まれるアレです。ジョークグッズといったかんじで売られてる。
誰か正式名称を教えてください(切実)

2002/8/20

加筆修正・2003/7/19