04 人間関係







たとえばさ、人間、誰かに対する感情なんてさ、好きか嫌いかのどっちかでできてればいいのにって思うんだよ。オレはエイトが好きだからさ、勿論好き!!の気持ちに分類されるわけなんだけど、当のエイトって言ったらこれがまた恥ずかしがり屋さんっていうかさ、照れ屋さんっていうか、とにかく可愛いんだけどさ、え?それは関係ないって?細かいこと気にすんなよ、そんなふうにチクチク細かいこと気にしてたらウチの兄貴みたいに早いうちから真ん中からはげてきちゃうよ?(ん?まだキてなかったっけ?)
まあさ、ともかくさ、エイトがオレの"好き"っていう感情そのものなんだってくらい一番標準、デフォルト、ってことにしちゃったらさ、この世界の人間みんながなんでもなくなっちゃうな。嫌いでもなんでもなくってさ(だってエイトが基準だったら嫌いなんてオレの中には存在しない)、まっしろ、畑の大根、そこらへんに散らばってる石ころと同じさ。
そうさ、そんくらい愛しちゃってるのに気づいているのかいないのか…気づいて欲しいんだけどな、そんでもってオレのこと気にして、一日中考えてさ、刷り込みみたいに好きになってくれてもオレ嬉しいんだけどな。

反して愛すべき国と王と姫を持つ若き近衛兵エイト殿の世界ととても複雑かつ不思議だ。
大切なものがたくさんあって、最近まで一番上を占めていたのが王様たち、そしてこのごろオレ達仲間たちもその中に認識されて入ったようなんだけどさ、でも、この誠実で優しき世界の勇者様は街でほんの少し出会った人たちもみんな大切なようでさ、でもそれってさ、結局みんな大切じゃないってことなんじゃないのかよ、みんな一緒なんだろって一番という順位をつけさせたいオレは意地悪に言うのさ、勿論心の中でだけ。でもそんなこと聞かなくっても答えがわかってるんだよね、みんな同じくらい大切ってさういう気持ち、決して容易なもんじゃないんだぜ、なあ。

愛してるのは国だけじゃない、世界を、愛してしまったんだ。この旅で。

少しだけ寂しくなるこの胸はまるで棘に刺さったようにちくちく痛んで、ちくちくはいつしかじくじくに、血を孕んでいつしか流れ出し、涙のように零れてそうして気づいてくれたらいいのに。
愛した世界に生きるすべてのものを大切に思うのなら、この腕をふりほどかないでくれ…よ。
戯れのように追いかけて笑った日々はおしまいだよ、そっとうなじにくちびるをおしあてて、知らないならそんなに強張ったふうに緊張なんてしないよな、知ってたんだね、酷いね、こんなにお前のこと好きなのに。
そっと触れてみたかった腹に、胸に、首筋にそっと服越しに手を這わせた、震えてる?震えないで、拒まないで、怖くないよ、大好きだから。

その、お前の愛している世界の中、オレはここにいるよ。ほんのちっぽけだけど、たまには気にしてよ。どこにいるかも、わかんないけど、待ってるよ、ずっと。









えちぃくしたかったのに玉砕。かわりにククが女々しく…(悔)

2005/3/2   ナミコ