彼女にまつわるエトセトラ







ぼくはきみが好きだっ!!!

そう言わずとも、叫ばなくても、なにをしなくともとにかくそのような雰囲気というか、オーラというものが漂っていた。
誰がなにを言わなくてもハリーがを好きなことはわかっていたし、わからされていた……いやがおうにも。

だってハリーといえば、朝早くからのクィディッチの練習にも嫌な顔どころか嬉しそうな顔して部屋を出て行くんだ―――
同室の彼の友人たちは口を揃えて言う。
それはなぜかと言えば、これまた朝早くから談話室でくつろぎ本を開いているにハリーが「がんばって」と言われるからだと、ハリーと一緒に寮を出て行く他クィディッチ選手達は目撃している―――それはもう練習がある日は毎日必ず絶対に。

でも練習がない日だってハリーはすごい早起きだよ―――シェーマス・フィネガンが付け加えた。
そりゃそうさ、の早起きは毎日で、談話室で本を広げているのは日常だと、その練習ごとにがんばってと言われて頬を緩ますハリーを見ている双子のうちのひとりが言った。

それを言うならこの間、ったらハリーと手紙のやり取りをしていたわ―――
と同室であるハーマイオニー・グレンジャーがどこからか話を聞きつけてその集まりの中に飛び込んできた。
他愛無い内容だったけど……どうやら見せてもらったらしい。でもハリーはその羊皮紙をすごく―――にやにやしながら見ていた。とロナルド・ウィーズリーが言った。その羊皮紙はハリーのベッドの下の箱に保管されてたみたいだったよ。とも。

そういえば昨日マルフォイがをどうのって言ってたとき、ハリーったらものすごい剣幕で飛んできたわよ―――
どこから入ってきたか、ハンナ・アボットはいとも当たり前のようにこの話題に参戦してきた。
アーニー・マクミランも同じようにハンナの隣にやってきてそれから口を開く―――ずこかった、あれはすごい。の悪口を言うものなら呪いを、ましてや好きだなんて言ったとしても呪いをっていう雰囲気だった。

そういえば私、あなた好きな子はいないのってに聞いたことがあるんだけど、近くの物陰にちらちらハリーらしい影を見たわ―――
くすくす笑いと数人の女友達を連れて、チョウ・チャンが通りすがりついでに教えてくれた。
考えたこともないわって即答した彼女と別れた後、湖のほとりでほっとしたようながっくりしたような変な顔をしたハリーが膝を抱えてぼーっとしてたわ。でも突然ものすごい勢いで走っていったわ……きっとを見つけたのねとチョウは笑った。



………ともかく、ハリーはが好きなんだ。わかるだろう?



いやいや、そんな。わからないだなんて首を振らないでくれよ―――なあ、頼むってば。
てゆうかわからないだなんて嘘だろう、顔が笑ってる、ちょっと、おい……え?デバガメ?あのなあ!!!



「どうして私が毎朝早起きして談話室にいるか、わからない?」



はくすくす笑ってじゃあね、とその場を去っていった―――……なんだ、どういうことだ。
うんうん唸っているロナルドたちを横目に、一足先にすべての合点をつかんだ女の子達はにやりと顔を見合わせて「なあんだ、そういうこと!!」と笑いあった。
いやしかし、ぼくたちはわからないわけで――――。



「なにやってんの?」



おおっとがいなくなった途端、話の主役登場かよ。
つんつん跳ねたくせっ毛黒髪黒メガネ。
いやいやが「なに、がどうしたって!?なに!?え!?」その固有名詞にいきり立って反応するハリーはあれだな、そのまんまじゃあ"触らぬにハリーの祟りなし同盟"とか発足するぞ、まったく。
うっかり口をすべらした双子の片割れは全然整ってないネクタイをととのえるふりをしてハリーを小突く。

「つまりあれよ」ハンナがにやりと笑う。
「さっさと告白しちゃいなさいよ」チョウが煽る。
「女の子を待たせるなんて最低よ」ハーマイオニーは意味深に笑顔を作る。

「は?」

ぽかんと大口を開けたハリーを3人して女の子達はその背を押していった。
さてさて、どういうことだかわからない人たちがまだいるんだけどな、と思って片割れはぐるりとそこを見回した。
ぽん、とアーニー・マクミランが手を叩く「なるほどそうか!!!」ハンナにつき合わされ育ったその手知識は、どうやら無駄ではなかったらしい。
「つまりアレだよ――――」



も随分前から、ハリーのことが好きだったったわけだ。



したり顔で頷くアーニーは、やっぱりそれでもよくわからないと唸るもの達にこれから詳細を聞かせるだろう。
そして彼らが完全に理解したころ――――長年の思いを経た一組のカップルが誕生するのだろう。








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ハリーを振り回すヒロインになってしまった。ヒロインを振り回すハリーになるはずだったのに・・・
いつもと少し違う書き方をしてみたつもり。

2004/11/11      アラナミ