それは田舎から送ってきた大量のサツマイモを加工しているときのことだった。









   おなかとせなかがくっつくぞ!!









「なにしてるの?」
台所でひたすら鍋とにらめっこしていた私にかけられた言葉。
私は鍋から視線はそらさないまま、真剣な顔のままで「うん」と答えた。

答えになってないと気づくのは数十秒後。


慌てずなにごともなかったかのように言い直す。
「焼き芋はね、時間をかけてゆっくり火を通してこそ、真の甘みがでるのよ」
「ふぅん」



淡白な応えが返ってきて、いつもの流れで言うとそこで台所から消えるはずの姿が、今日はとどまっていたのだけれど。
私は目の前の鍋に夢中になっていてそれに気がつかなかった。


ってくいしんぼだよね」
「ん?うん」

隣に来た不二が、私と目線を同じくして目の前の鍋を見つめる。

「不二もくいしんぼ?」
「かもね」


この目の前の鍋の中ひそやかにじっくりと焼かれていくサツマイモを、不二も待っているのかと思ったら、嬉しくなって。
好きなものを好きな人と共有できるって、嬉しいよって言ってたお母さんの言葉が、わかって。



「楽しみだねぇ、一緒に食べようねぇ」
とても嬉しかったので、その思いのまんま笑いかけたら、あまりに自然にキスをされたので、私はあまりに自然にそれを受け止めて微笑んでしまった。


自分で言うのもなんだけど、まるで恋人同士のようでカユッ!!!!!
(はぁ、なんですか、ただの照れ隠しですよ、もう!!!)






しかしながら暗転
(んん?)






「知ってる?」
なにが、と言いかけて開いた口は吸い付くように塞がれる。
唇を舐めるように愛しまれて青い目が私を見下ろす。

「食欲と性欲の根底は、一緒なんだよ」
(わぁ!!!!!)











この後どうなったかって?それは君の想像通りじゃあないかな。ごちそうさま