「男の子かぁ……」
不二は至極嬉しそうに微笑んだ。
私は至極緊張した面持ち、かつやっべーまたうっかり余計でいらんこと口走っちまったよーという思いを隠せるはずもない表情で脂汗にも似た冷や汗をかいてこの男、不二周助の隣に座っていた。
アカン、アタイ手のひらに汗かいてきたワー!






     スマイル0円☆





「元気な子に育つといいネ☆」

わぁ!なにそのマンガ的に言わせて貰えば、高潮した頬に光り輝く目!白い歯!きっとウィンクしたら星が飛んでくる!みたいな態度はなんだーーー!
てゆうかあまりに爽やか過ぎて鳥肌が立つ!!キモイ!
断じて私は孕んでない、孕んでない、孕んでない!


「ち、違うのよぅーーーー!」


この叫び、一体誰に届くというのか。
嗚呼、この一家の末弟が帰郷していたら届いたかもしれない…。
届け!都内の某所のルドルフ学園!
そしてこのキリキリ痛む胸を感じ取るがいい、同胞よ!


「あはは、そうだね、これから作るんだからね」
「いーーーやーーー!」


この叫び、一体誰に(以下略)。
嗚呼私は青ざめる、冷や汗をかく。
なんで、なんでこんなにもこいつは笑顔なのか、嬉しそうなのか。
知ってるけど、わかってしまっているけど、それでもホワット?とかホワイ?とかわけのわからぬ英語被りの発音のなってない学生みたいに言ってしまいたくなるんだ!
そんなことしても焼け石に水どころか真夏の太陽に罵声のようなまったく意味のないものだっていうのに!





したたかに微笑む不二と、伸びてくる腕。
その影に身体を強張らせながらも私が思ったことはたったひとつだった。






あんた、マク●ナルドでバイトができるわね!