むずむずするやさしさとか
「作り笑いはいくらでもただであげれるけど」
あまりに真剣に不二が言うので、私は今自分が置かれている状況といものをまったく忘れてしまってその口から出されるであろう言葉を待っていた。
「に見せる笑顔は本物だから、ただではあげられないんだ」
「はぁ」
首を傾げる私は、つまりが不二の言った言葉をすべてのみこめているわけではなく、要約すれば理解していないということであるわけで。
そうして考えてしまうと他の事が見えなくなってしまう私はいつの間にか不二の腕の中で、いつの間にか上着を取り払われていて、いつの間にか不二の膝の上にいた。
不覚!
「ん?」
「ふふふ、は本当に(馬鹿で)可愛いね」
「む?(なんか今バカにされたような…)」
見た目によらず大きなてのひらで頭を撫でこするのはやめてほしい。
正直そうされるのは、昔から好きだったし、今でもたまに大人の人に撫でこされると嬉しかったりする。
照れ嬉しい、というか嬉しいので、私はそれをあー…うん、なんていうかね、その、好きな人…にしてもらうととてもとても嬉しくてドキドキするのでたまらないのだよ、えへ!
おしりがむずがゆい。
嬉しい事をされてしまうとやっぱり嬉しいので、どんなに意地をはっていても口元がふにゃりと緩んでしまうのがわかる。
そして嬉しいよって気持ちを伝えたくなるので私は大変だ。
意地っ張りで天邪鬼な私はそんなことは恥ずかしくて出来ないし、なにより不二相手にそんなことをしてしまったら後の祭りだ。
もうこの身になにが起こっても私は教授せざるを得なくなる。
だって自分の責任なんだから。
時間の問題だ。
不二はにこにこと笑って私の出方を待っている。
ちくしょう、ずるい。
不二ってば結局どんなに私を好きだといったり追いかけたりしても、最後の最後の選択を私に任せてしまうからね。
(結局はやさしいってこと?)(いーや、まさか!有り得ない!!)
とりあえず私はむずがゆくなるおしりをおさえて、不二の撫でこ攻撃を甘んじて受け続けた。
ねー不二、あんた一体なに考えてんの?