「あんたをあたしのマジモンにしてあげるわよ!」

半ばやけに思って叫んだ言葉でしたが、はそうすることが1番いいんじゃないかと思いました。
トレーナーになるためにはマジモンがいるし、なによりこのロングボトムいちおうトレーナーとしての基礎を知っていそうです。
かたき云々はあとにするとしても、今はひとりよりふたりの方がいいかと思ったのです。


そうしてとロングボトムの旅は始まりました。
おちこぼれトレーナーロングボトムをマジモンに、非常に楽ではない旅を。






「あんたホントに役に立たないわね!!」
それはこの旅が始まって何度となく、…そう何度も何百回と口にした叫びでした。
いくらマジモンになった人間とはいえ、戦闘に参加しないなんてばかげている!
この間拾ったグラップとゴイルというマジモンにされたらしいやつらは、お菓子さえ与えればとてもよく働いてくれました。
それでも、食費がかかるという理由ではあの2匹を野生に返してしまったのですが。

「こんなことなら多少食費がかかってでもあのふたりを捨てなければよかった……」

後悔先に立たずというやつですね。
だけどはその天性のマジモントレーナーの感性をもって自らの力のみで頑張ってたくさんのマジモンを仲間にしました。
最初はロングボトムの無能さに辟易していたですが、今はもうロングボトムの力を求めずとも他の仲間たちの力でもって先に進むことが出来ます。


双子のフレジョというマジモンは手なずけるのに苦労しましたが、いったん心を許してもらってからはを慕って大変有能な仲間になりました。
神出鬼没なリドエルというマジモンは出会えるまでが大変でしたが、その大変さに見合うくらい強くまた賢い仲間になりました。
リドエル以上に神出鬼没なダンブルドンというマジモンは、仲間にこそならないもののピンチのときはいつも助けてくれます。
役立たずのロングボトムは、盾にすればいいのだとこの頃気付きました。



さて、がマジモントレーナーになってから数ヶ月、のトレーナーとしての腕はとても優秀なことはもう名高い噂となっています。
ダンブルドンが落としていった不思議なマジモン図鑑を見れば、マジモンのコンプリートもあと残すところ1体に迫ったようです。


「うふふ、スネイオウを捕まえたら、これであたしはマジモンマスター。一躍大スターの誕生よ!」




は拳を握ってスネイオウが多く生息するというスリザリンの地下道に進んでいきました。

ちょっと待って、その前にマジモンセンターで回復よ!