茂みをこえてはこっそりとその向こうを覗きました。
するとそこには人間とマジモンがいるようでした。
「やめてよー、やめてよー!」
「ええい情けない奴だな、ロングボトム」
ロングボトム…と聞こえました。
ロングボトムといえば優秀なマジモントレーナーがたくさんいるグリフィンドール都市の落ちこぼれトレーナーだと、この間ホグワーツ村に立ち寄ったドラコ・マルフォイが言っていました。
そもそも、マルフォイはグリフィンドールを褒めてなんていませんでしたが。
しかしそのロングボトムを泣かせてつついている白く薄気味悪い、そうそれは腐った牛乳のような色をした猫よりは大きく犬よりは大きい妙な動物はなんなのでしょうか。
まさか…あれがマジモンなのでしょうか。
「お前のような人間はトレーナーなどやっておらんで少しは魔法薬学でも勉強しているのだ!」
「わー!!」
マジモンの手になにやら怪しい物体が握られています。
あれはなにかの薬でしょうか。
は黙って茂みの影で様子を見ています。
なんとなく出て行かないほうがいい気がしました。
「おまえなどマジモンになってしまえ!」
ばふん、と大きな音がして、それからロングボトムを紫色の怪しい煙が包みました。
薄気味悪いマジモンははっはっは!と笑ってどこかへ消えてしまいました。
はただあっけにとられるばかりです。
おおっと、紫色の煙が晴れていくようですよ。
はそれからやっとまわりを確認して安全そうだと思うと、ロングボトムの元へ近づいていきました。
「ちょっとあんた、大丈夫?」
近づいて見れば、なにやらロングボトムはなにかの布に包まれたようで、小さく震えています。
あれ?遠目だったせいでしょうか、それとも目の錯覚?
さっきよりもロングボトムが縮んでいるような気がします。
は恐る恐る手を伸ばしてロングボトムを包む布を剥がしました。
あれ?これはさっきロングボトムが着ていた服じゃないですか…ということは?
「な、なにこれ!!」
の足元にはさっきのロングボトムよりもひとまわりもふたまわりも、それどころか何十分の一も小さい妙な動物がいました。
そして大きな声で泣き出したのです。
「わー!どうして僕がこんな目に合わなくちゃいけないんだよー」
「知らないわよ!てゆうかここにいた人間はどうしたのよ!」
「僕はスネイオウにマジモンに変えられちゃったんだ!せっかくトレーナーになったばっかりだったのに!!」
めそめそ泣くどうやらロングボトムらしいこの奇妙な動物にを見て、は少し考えた。
マジモンマスターなんて危ないことやめよっと。
ポケットにあった蛙チョコをロングボトムにあげる。