「わぁ、ありがとう!」

蛙チョコをあげるとロングボトムはすぐに泣き止みました。
現金ですね。

おいしそうに蛙チョコを頬張って、それからロングボトムはぽつりぽつりと話し始めました。


「僕、グリフィンドール都市でトレーナーを目指していたんだ…この間やっとトレーナになってさ…」
どうやらしんみりした話をし出すようです。
はそういう類の話が嫌いでしたが、ここで聞かずに帰るのはちょっと罪悪感が起きたのでおとなしく聞いておくことにしました。

「マジモン見つけてつかまえようと思ったらスネイオウだったんだ、最悪だよね」
「てゆうかスネイオウってなによ」

ロングボトムは驚いた顔でを見上げます。

「君、スネイオウを知らないの?もしかしてトレーナーじゃないの?」
「あたしはまだトレーナーじゃないわよ、だからなにも知らない」
「ふうん、じゃあ僕が教えてあげるね」

どこか得意そうなロングボトムです。
なにかムカツキますね。

「スネイオウはトレーナーから嫌われてるマジモンなんだ…いろいろ薬を持ってて最悪なのはこれ、僕にかけた人間をマジモンに変えちゃうやつ」
「ふーん」

なんだか嘘みたいな話ですが、実際目の前でマジモンに変わってしまったロングボトムを見る限り嘘ではないようです。
というかそもそも、マジモンに襲われるトレーナーってどうなのよと、あの人を小ばかにしたような態度をとるマルフォイの意見になんとなく同意してしまいそうにはなりました。


「ねぇ君、僕のかたきをとってよ!僕が君のマジモンになるから!!」
「はぁ!?」




なんであたしがそんなことしなくちゃいけないのよ!

自分のマジモンもいないし…とりあえずいいか。